嘘をつけ!

柄谷行人坂口安吾論」を読む。

 

柄谷行人を読む快楽がどの辺りにあるのか分かった。気づく者と気づかぬ者、問題の近くにいて、素通りする者とそうでない者がおり、読者は気づく者の側にいることができる。

 

しかし、そういう語り方にはやはり注意が必要だ。気づくとは、気づいてしまうとは、決して幸福も優越も意味しない。多くの場合は、少数者の阻害をこそ味わうのではないか。