思い出しても涙も出ない

高田里恵子「学歴・階級・軍隊」読了。山崎晃嗣や遠藤麟一朗についての記述が印象に残る。面白い。

 

ただ、あまり若い頃のショックそのものについては、学歴の高さ云々よりも個々人の言語能力とその後の影響が重要で、それ自体は考えなくても良いような気がする。

 

粕谷一希による遠藤麟一朗についての本「二十歳にして心朽ちたり」のタイトルが良く表している通り、青春は退屈な、通り過ぎるのを待つしかない、台風のような自然現象に過ぎない、と思うからだ。李賀の詩が著名なのはまさにその思いを多くの人が持つからだし、言い換えれば二十歳とは心が朽ちる年齢なのだ。「一番美しい季節」とは誰にも言わせたくない季節。

 

今、四十を超えて思うのは、体を悪くしない程度にうまくやり過ごしてね、ということくらいだ。